マイオチューニングアプローチ(Myo Tuninng Approach)
当院では「マイオチューニングアプローチ」という考え方に基づいて施術を実施しています。
MTAとは?
MTAは、筋(myo)を調整(tuning)するアプローチであり、神経生理学的現象を利用して主に筋が原因(稀に皮膚から皮下組織)で生じる症状を改善するアプローチである。目的は筋緊張を調整することにより、「痛み」「痺れ」を改善し、関節可動域(Range of Motion:ROM)や運動能力を向上させ、ADLおよび生活の質(Quality of Life:QOL)を高め、精神的苦痛を和らげることである.
実際にMTAを実施することにより痛み、痺れ、筋緊張の異常などが著明に改善し、筋力、筋積分値および関節可動域が増加している。また、整形外科疾患、内科疾患および脳血管障害による運動麻痺などの中枢性疾患まで、幅広い適応が認められている。
筋触察により患者様の訴えている症状が出現する部位を探し、再現症状を抑制部位への触圧覚刺激によって改善する手技である。また、症状を改善しながら施行する運動療法によって、筋の収縮機能および伸張機能を最大限に活性化させる自動能動的な治療アプローチでもある。
日本MTA学会 理事長 高田治実
プロフィール
医学博士・理学療法士・臨床福祉専門学校理学療法学科 顧問・帝京科学大学 東京理学療法学科教授・日本理学療法士協会 理事・日本MTA学会 会長・東京都理学療法士協会 副会長
(推薦分ありがとうございます)
当院の施術の流れ
①症状の原因となっている筋繊維を特定する
「筋肉」ではなく「筋繊維」‼
筋肉の構造は左の図のように
筋肉 → 筋束 → 筋線維 → 筋原線維
というように細い繊維が集まって構成されいます
本当に悪いところは筋肉の中の筋線維という細い繊維のごく一部です。この1本1本のどこに問題があるかを見極めて施術を行うことで、効果的を高めることができ、また改善までにかかる期間を大幅に短縮することができます。
②疼痛を抑制する
人間に備わっている痛みをその場で軽減することが出来る機能を2つ紹介します。
『大声を出す』子供が大声で泣くのはこれが理由です。それ以外にも大きな声を出すと脳のリミッターを一部解除できるので、普段より大きな力を出すこともできます。オリンピックで「重量上げ」や「やり投げ」の選手が叫ぶのはこれを利用しています。
『触る』痛いところを無意識にさすったり、抑えたりしたことはありませんか?これは触圧覚できるを刺激することで痛みを抑制する「ゲートコントロールセオリー」という機能を利用しています。子供のころに1度はお母さんがやってくれた、痛いところを優しく触って「痛いの痛いの飛んでいけ」で不思議と楽になるあれです!
MTAではこのゲートコントロールセオリーを用いて、⓵で見つけた筋線維の痛みを抑制します。この時にしっかりと原因となっている線維が見つけられないと効果が得られません。
③正常な筋活動を再学習する
原因を見つけて疼痛を抑制してからが本番です。
痛みに感じ方は人それぞれなので、数値に表すはとても大変です。臨床現場では色々は表し方がありますが、当院ではNRS(Numerical Rating Scale)という指標を使用しています。
「NRS:「初診時や治療を開始する前の痛みを10として今はどれくらいの痛みか」を聞く方法」
これを用いて施術の前後の痛みの変化を、①~③をシッカリ意識してMTAを行った場合と、一般的な施術方法を行った場合を比べると下図のようになります。
学会発表などで治療効果を検証する際に用いる「ABAB法」という比較方法です。「A:MTA」と「B:一般的な方法」を交互に行って、治療効果にどのくらい差が出るか検証します。
このデータは私が「急性腰痛(ギックリ腰)」の方にお願いして、週2回、1回20分の施術を行ったときのデータを取らせてもらったものです。一般的な方法でも患者さんは結構満足してくれますが、細かく痛みを評価するとあまり減らず、次回来た時には元の状態に戻ってしまっています。MTAは施術の前後で患者さんが実感できるくらい明らかな疼痛の軽減があることに加えて、次回まで施術の効果が継続しています。
④施術効果を維持するためのセルフケアを習得する
どんなに施術後に状態が改善しても「右肩下がりにどんどん良くなっていく 」ということは残念ながらありません。施術効果を高めて「期間を少しでも短く」「通院回数を少なく」するためには自主トレをしっかりやることが必要です。
当院では「セルフケア」を正しく行えるになるための指導もしっかと行っています。どんな体操が必要かは人によって変わってしまいますが、紹介している3つの方法は是非習慣にしてください。
1日も早く元の健康的な生活が取り戻せるように頑張っていきましょう。