脊柱を後ろから見た時に、左右に曲がっている状態（上記イラスト）を脊柱側弯症といいます。
弯曲の大きさは、上下で最も傾いている背骨どうしのなす角度（コブ角）で判断します（下記レントゲン）が、この角度が10度以上あるものが側弯症です。
側彎症は手術が必要と判断される角度（40～50度以上）になっても、痛みなどの症状を出すことは稀です。しかし、進行すると健康に直接影響を及ぼすような障害を引き起こすことがあります。
側弯症の原因
A.機能性側弯（一時的な側弯症）
何らかの原因によって一時的に生じた側弯です。
椎間板ヘルニアなどに伴う痛みによるものもあります。
B.構築性側弯（本当の意味での側弯症）
脊柱のねじれ（回旋）を伴った側弯であり、簡単に真っ直ぐに戻らなくなった状態です。
1.特発性側彎症
「特発性」とは原因が分からないことを意味し、側弯症のうち約80～85％占めます。
年齢による分類
①乳幼児期側弯症：３歳以下で発症し、男児に多い
②学童期側弯症：４～９歳で発症し、進行する例が多くみられています
③思春期側弯症：10歳以降に発症し、多くは女子
（発症・進行には複数の遺伝子が関係していると考えられている）
2.原因である病気が分かっている側弯症
①先天性側弯症
：椎骨に生まれつきの形の異常があるために発症する側弯症です。
②神経・筋原性側弯症
：様々な神経や筋の病気が原因で発症する側弯症で、脊髄空洞症、脳性麻痺、筋ジストロフィーが代表的な病気です。
③神経線維腫症による側弯症
：レックリングハウゼン病とも呼ばれ、特有な色素斑、皮膚腫瘍などにより診断されます。
④間葉系疾患による側弯症
：血管や結合組織の生まれつきによる側弯症で、マルファン症候群が代表的な疾患です。
⑤その他側弯症
：放射線治療、やけどによるケロイド、骨系統疾患、感染、代謝疾患、脊椎の腫瘍などによっても側弯が起こります。
